PEOPLE 2026年2月26日

空間づくりで店舗の体験価値を高める
ORIHICAの「VMD」の仕掛け

空間づくりで店舗の体験価値を高めるORIHICAの「VMD」の仕掛け

「VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)」という言葉をご存じでしょうか?VMDとは、ブランドが大切にする世界観や価値を、店舗という場でビジュアル化してお客様に届けることです。ORIHICAでも、店舗の体験価値を高めるために、VMDに力を入れています。それを色濃く反映しているのが、東京ドームシティラクーア店をはじめとする新コンセプト店舗です。VMDを担う店舗環境企画部の渡辺さんに、仕事の内容とこだわりを聞きました。

株式会社AOKI ORIHICA店舗環境企画部 ゼネラルマネジャー 渡辺 典男

PROFILE

株式会社AOKI
ORIHICA店舗環境企画部 ゼネラルマネジャー
渡辺 典男(わたなべ のりお)

1994年に入社後、AOKI水戸本店配属。その後、AOKI竜ヶ崎ニュータウン店、ORIHICAの前身のスーツダイレクト各店で店長を務める。2004年、ORIHICAモラージュ柏店ストアマネジャーを経て、翌年ORIHICAのエリアマネジャーに着任。2006年にORIHICA店舗環境企画部に異動。以降、同分野全般のマネジメントに当たる。

ブランドの魅力をビジュアル化して届ける

―VMDとは、どのような仕事ですか?

VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)は、商品の企画・販売戦略(マーチャンダイジング)を、店舗で視覚的に表現し、プレゼンテーションする仕事です。お客様の興味を惹いて入店を促し、商品への関心を高めるために、空間や什器の使い方、マネキンの魅せ方、商品配置、演出方法などをトータルで設計する役割を担っています。

VMDを活用することで、マネキンや商品陳列を単なる飾りではなく、視覚的な接客をする役割として、より効果的に機能させることもできます。

―渡辺さんがVMDを担うようになった経緯は?

2000年代半ば、ORIHICAが多数の出店を進めていた地域のエリアマネジャーを務めていたことから、新店オープンに伴うさまざまな業務に携わり、VMDも担うようになりました。

もともと服が好きで入社しましたが、店舗で勤務していた頃から、「販売における店づくり」の重要性を実感していました。はじめはVMDの専門知識はありませんでしたが、社外のセミナーや研修にも積極的に参加し、実践と学びを繰り返しながら、空間づくりを学んでいきました。

新デザイン内装店舗の改装中の様子
新デザイン内装店舗の改装中の様子

VMDで表現した「レトロフューチャー」な店舗空間

―そうしたVMDの手法を色濃く反映しているのが、東京ドームシティラクーア店などの新デザイン店舗だそうですね。実際にどのような店になっていますか?

「レトロフューチャー」をコンセプトに、懐かしさと新しさが融合した空間をつくっています。やわらかな曲線デザインや円モチーフのグラフィック、ブランドを象徴する「オリヒカブルー」を基調とした配色、ゆったりとしたフィッティングルームなどを取り入れ、従来のスーツ店の堅いイメージを刷新し、気軽に立ち寄れる新しい“ビジカジショップ”を目指しました。

ほかにも、限定商品をマネキンに着せたり、雑誌とのコラボアイテムを誌面と一緒にディスプレイしたりと、既存店とは違う仕掛けをしています。今後もこのようなORIHICAのブランドイメージや世界観を表現する店舗を順次広げていく予定です。

ORIHICA東京ドームシティラクーア店 
ORIHICA東京ドームシティラクーア店 

新しい「発見」や「体験」を得られる空間演出を

―ORIHICAのVMDの特色を教えてください。

ブランドコンセプトの“Key to the new lifestyle”には、新しいライフスタイルを開く“鍵”となる価値を提供したい、という思いが込められています。その象徴となるキーワードが「ビジカジ」です。たとえば、一着のジャケットでも、合わせ方次第で何通りもの着こなしが生まれる。そうした自由な組み合わせの楽しさを、VMDを通して表現していければいいなと考えています。

「こういう組み合わせもありなのか」「次はこれを試してみよう」──。お客様がそんな新しい気づきや体験を得られる空間をつくっていきたいですね。

―どんなところにやりがいを感じますか?

VMDは、毎回真っ白なレイアウト図から演出計画を練りあげていく仕事で、常にわくわく感があります。施設ごとに条件が違い、「これが正解」というものがないぶん奥深く、いつも新鮮な気持ちで向き合えます。毎回学びがあり、感性が磨かれていく感覚もありますね。

出張が多く、開店前に作業を行うため朝も早いなど大変な面もありますが、ビジカジというまだ世の中では新しいスタイルを体現する店舗をつくること自体が、大きなやりがいになっています。

枠にとらわれないVMDに取り組みたい

―今後、どんなことに取り組みたいですか?

ECが浸透している時代だからこそ、実店舗ならではの「実物に触れられる」「試着できる」「色を比べられる」といった体験価値を、より高めていきたいです。

また、店づくりは必ずしも“100点”である必要はなく、あえて仕上げすぎず余白を残すことも大切だと考えています。漫画を置いたり、カフェと融合したりするのも面白いかもしれません。まさに、遊びやヌケ感を大切にするビジカジのように、枠にとらわれることなくVMDに取り組んでいきたいと考えています。

人によっては、オフの時間に仕事着を買いに行く時、なんとなく足を運びにくいこともあるでしょう。だからこそ、気軽に立ち寄れて、「こんな着こなしもできるんだ!」と新鮮な気持ちでコーディネートを楽しんでいただける空間を届けたいです。

枠にとらわれない空間づくりを目指したいと語る、渡辺さん
枠にとらわれない空間づくりを目指したいと語る、渡辺さん
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