PROJECT 2025年10月15日

販売数75万着超!
お客様とともに育てた新しい“シゴト着”「パジャマスーツ」

販売数75万着超!お客様とともに育てた新しい“シゴト着”「パジャマスーツ」

2020年のコロナ禍での発売以降、累計販売数75万着の大ヒットシリーズとなった「パジャマスーツ」は、仕事着の新しい定番となりつつあります。その躍進を支えたのは、その時々のお客様の「声」でした。発売から今年で5周年を迎えたパジャマスーツの軌跡を、現在このシリーズを担う担当者とともにたどりました。

※2020年11月から2025年6月時点までの累計販売着数

株式会社AOKI AOKI商品部 児島 大

PROFILE

株式会社AOKI
AOKI商品部
児島 大
(こじま だい)

2009年入社。営業部で販売業務に従事した後、販売促進部へ異動。その後、2014年から8年間店長として複数店舗を経験。2021年10月に商品部に異動し、2024年からMDとしてパジャマスーツの商品企画を担当。自ら企画開発した商品が店頭に並ぶ時が最もワクワクする瞬間。

※MD:マーチャンダイザー(商品の企画・開発や商品構成の決定、発注数量計画の立案などを専門とする職種)

株式会社AOKI AOKI商品部 溝口 広太朗

PROFILE

株式会社AOKI
AOKI商品部
溝口 広太朗
(みぞぐち こうたろう)

2023年入社。横浜港北店の販売職として従事した後、商品部に異動し、DBとしてパジャマスーツを担当。同世代のお客様にもっとパジャマスーツを手に取っていただける商品づくりを目指す。

※DB:ディストリビューター(商品の店舗への分配、在庫管理やコントロールを行う職種)

コロナ禍が生んだ、新しい“シゴト着”の開発

パジャマスーツ誕生には、新型コロナの流行という社会的な転機が深く関わっています。“不要不急”の行動制限が始まってしばらく経った2020年5月頃、お客様から次のような声が寄せられたといいます。

「『リモートワークで何を着ればいいかわからない』、『家では楽な服がいいが、部屋着ではWeb会議に出られない』――急な働き方の変化で、多くの人が悩みを抱えていました」(児島さん)

こうした声を受け、AOKIは新商品の開発に着手。急ピッチで製品化を進め、2020年11月、伸縮性のある生地で「リラックス感」と「きちんと感」を兼ね備えた、新感覚のセットアップが誕生しました。その後も改良を重ね、ロングセラーとなった「パジャマスーツ」。現在は、児島さんと溝口さんがこのシリーズを引き継ぎ、商品企画を担当しています。

「スーツは通常、布帛(織り生地)を使いますが、快適な着心地を追求するためにジャージー素材(編み生地)が採用されました。スーツとしてのクオリティを保つことに大変苦労したそうですが、そこはAOKIが長年スーツで培ってきたテーラードの技術が大きな支えとなりました。現在もその技術を生かしてシリーズを展開しています」(児島さん)

リモートワークの浸透が仕事着に対するニーズを大きく変えた
リモートワークの浸透が仕事着に対するニーズを大きく変えた

発売後に訪れた2つのターニングポイント

発売後、大きな転機が訪れます。

「当初は『ホーム&ワークウェア』という商品名で、キャッチコピーが『パジャマ以上、おしゃれ着未満』でした。すると店舗から、お客様に『あのパジャマみたいなスーツはありますか?』と聞かれたという報告が複数上がったそうです」(児島さん)

そこからの動きは電光石火でした。経営会議で商品名の変更を決定し、発売翌月に「パジャマスーツ」の名称でプレスリリースを配信。店内POPやセールストークなども刷新しました。そして、キャッチーなネーミングが話題となり、4カ月ほどで約3万着を売り上げるヒット商品となります。通常のスーツが1年で1万着売れればヒットとされるなか、前例のない成果となりました。

さらにその後、もう一つ重要な進化がありました。

「当初は在宅ワークの需要を受け、襟のないカーディガン型でしたが、『もっとスーツに近い見た目のものがほしい』との声を受け、2021年9月に襟のあるテーラードジャケット型が加わったと聞いています。こちらも大きな反響を呼び、現在もシリーズの主力となっています」(溝口さん)

パジャマスーツ誕生の背景を説明する先輩・児島さん。興味深そうに耳を傾ける入社3年目の溝口さん
パジャマスーツ誕生の背景を説明する先輩・児島さん。興味深そうに耳を傾ける入社3年目の溝口さん

開発から5年。進化を支える仕組みと技術力

以降もパジャマスーツは進化を続けています。現在はビジネスでより使いやすいプレミアムシリーズや、疲労回復効果が期待できるリカバリーシリーズなど、メンズ・レディースで多様なラインを展開しています。2025年には、青山学院大学のファッションサークルとコラボした商品も発売しました。

「シリーズ展開に際しては、市場やトレンドを捉えつつ、プレミアムシリーズでは通勤時に使いやすいよう内ポケットの数を増やすなど、お客様のニーズを反映できるよう企画をしています」(児島さん)

こうした商品開発のヒントとなるのが、「お客様のリアルな声」です。AOKIではVOC(Voice Of Customer)という仕組みを通して、お客様からの声が関係部署に届くようになっています。

「やはり、自分たちだけでは気付けない視点が多々あり、お客様の声は開発の重要な推進力になります」(溝口さん)

ストレッチ性のある快適な着心地とオン・オフ使えて着まわしもできるデザイン。パジャマスーツはさまざまなシーンで活躍してくれる
ストレッチ性のある快適な着心地とオン・オフ使えて着まわしもできるデザイン。パジャマスーツはさまざまなシーンで活躍してくれる

“気持ち”や“感覚”に寄り添い、さらなる進化を

お客様の声を起点とし、働く人のライフスタイルに快適さや便利さを提供してきたパジャマスーツは、「お客様と一緒に育てた商品」です。また同シリーズは、ビジネススーツのイメージが強いAOKIにとって、新しいお客様を獲得する重要な役割を担っています。

「今ではこうしたセットアップは一般的になりましたが、パジャマスーツの優位性はスーツ専門店ならではの高い技術力と品質にあり、その違いをもっと多くの方に知っていただくことで、さらに飛躍できると感じます。この価値を社会にどう届けるか、今後も追求していきたいです」(溝口さん)

「最近は『よりオフィスワークや外での仕事に映えるものを』というニーズが強まっているので、着心地の良さはそのままに、よりきちんと見えるタイプも展開予定です。今後もパジャマスーツは、お客様の気持ちや感覚に寄り添いながら、進化していきます!」(児島さん)

商品開発者として、パジャマスーツのさらなる飛躍を目指す二人
商品開発者として、パジャマスーツのさらなる飛躍を目指す二人
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