ユニフォーム以外のもう一つの“勝負服”として、スーツを活用する──。そんなアイデアとともに2016年からAOKIが取り組むのが、同じ横浜市都筑区に拠点を置くプロバスケットボールチーム「横浜ビー・コルセアーズ※」への協賛です。地域活性化に貢献するこの活動の根底には、サステナビリティという言葉が一般化するずっと前からAOKIが大切にしてきた精神があります。この取り組みに長く携わってきた諏訪さんにお話を聞きました。
※コルセアーズ(CORSAIRS)は「海賊たち」「海賊船団」を意味する

PROFILE
株式会社AOKI 取締役 専務執行役員諏訪 健治(すわ けんじ)
1998年入社。主に関東近郊にて複数の店舗勤務を経て、エリアマネジャー、ゾーンマネジャーなどを経験。2012年から本社の複数部門を経験し、2018年よりAOKI代表取締役社長に就任。現在は取締役専務執行役員としてAOKI事業を担当。
地域貢献を大切にするチームの姿勢に共感
―AOKIが横浜ビー・コルセアーズ(以下、ビーコル)のオフィシャルパートナーとなったきっかけを教えてください。
2016年に、新しく設立された国内男子プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」が開幕するタイミングで、協賛のお話をいただいたことがきっかけです。AOKIは1986年に、ご縁あって本社を横浜市都筑区に移転しました。以降、併設する横浜港北総本店は地元の方々を中心に長く親しまれてきました。同じく、都筑区に拠点を置き、地域貢献を大切にされてきたのがビーコルです。
AOKIはその姿勢に共感し、ビーコルとコラボレーションすることで、ともに成長しながら都筑区を盛り上げていけると考えました。そして、チームを応援するために活用したのが、AOKIが最も得意とする「スーツ」でした。

培った技術でビーコルに“ピッタリ”なスーツを!
―スーツを提供する際に、心がけたことは?
選手とスタッフが試合や行事に着用する「公式スーツ」ということで、動きやすく手入れが簡単で、かつチームの品格を高めるようなものを目指しました。また、バスケットボール選手は、体格がとても多様です。製作に際しては、当社のスタイリストが各選手を採寸し、チームの皆さんの意見も聞きながら、一人ひとりにピッタリと合うよう仕立てました。そこには、AOKIの半世紀以上にわたるスーツづくりの技術と知見が存分に生かされました。Bリーグ発足当初はヘッドコーチやスタッフが公式スーツを着て試合に臨むチームはビーコル以外には少なく、チームやリーグの格を高める一助になれたのではと思っています。
―これまでで印象に残っている公式スーツの取り組みは?
数年前から、ジャケット約50種類・スラックス約25種類からジャストサイズをそれぞれ選べる、AOKIのクイックオーダースーツ(QOS)を採用したことです。さまざまな体格の方々にピッタリなサイズを、オーダースーツ感覚で選んでいただけるという、まさにビーコルとの取り組みを象徴するようなスーツだと感じています。
―スーツの提供以外には、どんな取り組みを行っていますか?
他には、試合そのものをスポンサードする冠試合の開催や、試合への無料招待キャンペーンなど、ビーコルの応援と地域の活性化につながる活動を行っています。


2025-26シーズンのスーツは、チームカラーのオーシャンネイビーを基調としたワントーンコーディネートでシンプル&クールを意識(写真左)。スタッフも公式スーツを着用して試合に臨む(写真右)
スポーツ振興を通して“支え合いの輪”を広げる
―こうした協賛活動の背景にあるものは、何でしょうか?
AOKIは、社会に役立つことを積極的に行う「公共性の追求」を経営理念の一つに掲げていて、この活動はまさに公共性の追求を実践する取り組みだと考えています。その根底には、私も当社の先達から長年伝えられてきた「営利を求めるだけでなく、買い手、作り手、社会、未来にも貢献し、広く愛されながら持続的に活動することがAOKIの企業活動の原点である」といった精神が息づいています。
地域や社会のお役に立つことで、AOKIを好きになってもらい、それを糧にまたいっそう地域や社会に貢献する。そのような“支え合いの輪”を広げ、多くの方々の心が豊かになるような活動にできたら、本当に嬉しいです。
―ファンや地域の方々からは、どんな反響が挙がっていますか?
ありがたいことに「好きな選手の、普段のユニフォーム姿とは違うスーツ姿を見ることができて嬉しい」「スーツを通じてAOKIに親しみがわいた」「選手のかっこいいスーツ姿を見て自分も欲しくなった」といった反響をいただいています。
また、AOKIの従業員からは「ビーコルを支援している会社に勤めていることが嬉しい」という声が聞かれ、会社への共感や帰属意識の高まりも実感しています。今後もAOKIが培ってきたものを生かして、常に進化し、地域や社会、そこに関わるすべての人々が幸せになる活動を続けていきたいです。

<横浜ビー・コルセアーズからのメッセージ>
株式会社横浜ビー・コルセアーズ 代表取締役 白井 英介さん
AOKIにはパートナーシップのみならず、スーツやポロシャツのご提供、そして地域貢献活動へのご協力など、長年にわたって支援いただいてきました。地元を代表する企業と、いちパートナーとしてのもの以上の関係性を築けていることを、本当にありがたく思います。ぜひ今後も、共に都筑区を盛り上げていきましょう!
キャプテン 森井 健太選手
今季の公式スーツもスタイリッシュで着心地がよく、さまざまなシーンで大活躍しそうです。なかなか勝てない時期も含めてチームをずっとサポートしてくださったAOKIは、本当に心強い“仲間”だと思っています。引き続きお力を借りながら、応援してくれる方々に夢や希望を与えられるよう、全力で取り組んでいきます。

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