ファッション、ブライダル、複合カフェ、カラオケ、フィットネスジムなど、多彩な事業を通じて“人々の喜びを創造する”AOKIグループ。ここでは、社員たちが実際に体験した、心にのこるエピソードを紹介します。
第1回は、アニヴェルセル 長野のパティシエが体験した「ウェディングケーキ」にまつわるエピソード。ご新郎・ご新婦の想いをカタチにするオリジナルのウェディングケーキには、その一つひとつにドラマやストーリーがあります。そんなケーキを通じて人と人との“つながり”を生んだ物語をご紹介します。
一枚のオーダーシートに込められた、ご兄妹の想い
ある日、パティシエのもとに届いた一枚のウェディングケーキのオーダーシート。添えられた写真を見た瞬間、彼女は息をのみました。ティアラを飾った2段ケーキ、クリームは繊細な絞りで丁寧に仕上げられている。可愛らしいデザインだけれど、この絞り方は自分にはまだハードルが高いかもしれない―正直、少しの不安を感じたのです。
すぐに担当プロデューサーに相談すると、このケーキには特別な物語があることがわかりました。写真のケーキは、入籍祝いにとパティシエをされているご新郎の妹様が心を込めて作られたもの。仲の良いご兄妹にとって、そのケーキは“家族の絆”そのものでした。ご新郎は「妹への感謝とサプライズを込めて、このケーキを結婚式で再現したい」と希望されていたのです。
その想いを聞いた時、パティシエの胸に強い決意が芽生えました。「このケーキを、絶対に形にしたい」。しかし、いまの自分の技術ではまだ要望に応えきれないかもしれない、と彼女はすぐに先輩に相談し、技術指導をお願いしました。なかなかうまくいかない日もありましたが、「ご家族の笑顔を見たい」という一心で何度も練習を重ね、少しずつ手に感覚を覚えさせていきました。

“想いをつなぐケーキ”をお届けする
そして迎えた結婚式当日。無事、完成したケーキが会場に運ばれてホッとしていたところ、担当プロデューサーから声をかけられました。「このケーキを作ってくれたパティシエさんに、直接お礼を伝えたいとおふたりがおっしゃっています」。すぐに会場へ向かうと、そこにはご新郎とご新婦、そして妹様の姿が。「難しい注文なのに、ちゃんと叶えてくれて、本当にありがとうございます」。その言葉に、パティシエは胸がいっぱいになりました。
ウェディングケーキは、ただのスイーツではありません。それは、人生の一瞬を彩り、人と人の想いをつなぐもの。これからも一生に一度の想いをケーキで表現したいと、彼女はさらに技術を磨き続けています。

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